石水渓の家

用途:住宅リノベーション
構造:鉄骨造
竣工:2021

作業場として使われていた鉄骨造2階建ての建物を住居にリノベーション.
風光明媚な山と小川のとなりに建つ.
現地を初めて訪れたとき、小川のむこうにポツンと佇む一本の電柱灯が宮沢賢治の世界につながるようだと思った.

リノベーション前は背を向けていた小川側の景色を生活にとりこむべく壁に穴をあけ、水平窓をつくった.
古い家具や、古今東西の道具を愛するご夫婦.

もともとあった大きな室の中心に1本の栗の大黒柱を立て、4部屋に分割.
4分割されたそれぞれの部屋は土壁やしっくい壁などによりさらに分化され、食事室、調理室、珈琲を飲むところ、植物を育てるところ、イラストレーターである奥さんの在宅のワークスペース、書庫などが重なりながら場所をつくる.
行先のない階段は音楽家のご主人さんが腰掛けてギターを弾く場所になったり.
もともとあった天窓を各所の基点に利用し、光のアクセントに.
大黒柱に向かって走る大きな建具により、各室を個室化することができ、居間は時にシアターになる.

工場型鉄骨造と日本の伝統的な間取りである田の字プランを融合し、おおらかさとプライベートの可変性、機能と風情を併せ持つ住居が生まれた.

Copyright YONEDA architectural design All Rights Reserved.