2015.8.7

バケモノの子 を観て

 
今日は夕方から長男と次男を連れて近くの映画館に.
 
 
以前から約束していた『バケモノの子』を観賞.
 
(久しぶりに父親らしいことしたな・・・。)
 
 
時をかける少女、サマーウォーズと傑作をつくってきた細田守監督の最新作です.
 
 
 
 
イメージ 1
 
 
バケモノ、とよばれる種族にはない、人間が持つ 心の闇 .
 
 
人はやさしく、美しい、と同時に誰でも心の中に闇を持つ.
 
 
 
 
 
 
夏は一般的に陽気な季節というイメージがある.
 
でも僕は小学生の頃、夏休みの登校日に毎年毎年、空襲警報の音が鳴る戦争教育の放送と、戦争、原子爆弾の恐ろしさの教育を受けてきたせいか、夏の明るすぎる日差しと隣り合わせに戦争の影を思い出し、ふとした時、いまだに少し暗い気持ちになる.
 
今まさに、ネット上でも戦争についてのたくさんの個人の思想が発信されている.
 
その様な教育がダメだとか、そういうお話しではなく、最近になってようやく思うことは、人によって、国によって、文化によって個々人モノゴトの考え方、捉え方が違って当たり前ということ.
 
例えば、原爆を落とされたから、落とし返す、アメリカに対して歴史認識が間違っている、そちらが反省しろ、と詰め寄ったところでどうにもならない.
 
例えば、韓国に対して、独島は竹島だ、と韓国政府が実効支配している島へ、日本がのりこんだらどうなるだろう.
 
聖地エルサレムを巡る宗教戦争という殺し合い、イスラエルとパレスチナのようになり、利害関係、土地の問題から起こった争いは、恨みと報復の負のスパイラルになり、もともとの問題を覆うような大きな闇にのみこまれてしまうだろう.
 
少なくとも今の日本はそのようにならない、しない国であるというのはとても尊いこと.
 
問題は外交で話しあっていくべきで、暴力的な思想からは何も解決は生まない.
 
歴史認識も違えば、考え方も違う、その思考の中で思った事は、今を生きる僕たちが過度に過去の歴史や認識に囚われすぎずに、今生きているこの時代で前を向いて生きればすこしずつ闇も晴れていくのではないだろうか.
 
 
信じること、生きること、踏み出すこと、想うこと.
 
 
映画のあらすじとは関係ないですが、そんなことを思わせてくれた作品でした.
 
人って美しいのだ.やさしいのだ.
誰かが誰かを想い、大切にしながら生きているのだ.
誰しもが持っている自らの内の闇にのまれないように、手を取り合って、信じあって生きるのが人間なんだ.
色んな感情があっても、明るく、やさしい方が人間の本来の部分なのだ.
 
 
と、夏の今日、とても清々しい気持ちになれました.
 
子供の並びで、涙を隠すのが大変でした・・・.
 
映画のお話しと、現実の問題は次元が違うのだ、と笑われるかもしれません.
 
 
それでも、現実に生きる僕たちをこんな気持ちにさせてくれるものをつくれるのが人間の力であり、やはりそれは陽の部分のつよさだと思うのです.
 
 
 
とてもとても美しい映画です.絵も物語も.
 
 
 
 
 
イメージ 2
 
 
 
帰り道.綺麗だった夕焼けの終わり.
 
もしかしたら暗いBLOGになってしまったかもしれないけど、今年見た映画でいちばんよかったなぁ・・・.
 
舞台となっている東京で、国立代々木競技場の美しい造形がそのままリアルに描かれています.
 
細田監督の作品はやはり建築物の描写がおそろしく美しいです.
 
ビルの窓に非常用侵入口の赤い逆三角形の表示まで描かれています.
 
・・・と建築のblogっぽく結ぶとします.
 
また明日。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所