2016.9.8

夏の庭

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夏の庭   湯本香樹実  (1993年)
この夏読んだ本.
短い小説.
町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……。喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。
【本文紹介より・・・】
とっても良いお話しでした.
あとがきより、この小説は作者の処女作とのことです.
少女だった作家が当時はあまりよく思っていなかった自身の祖父の思い出を結晶化させ、そして祖父に捧げた作品.
この小説を執筆するとき、祖母の家で寝泊まりし、
毎晩寝床につくときは、自身のおじいさんの遺影に、
「明日も頑張るからね」
とメッセージを送って眠りについていたそうです.
作品の素晴らしさもさることながら、すがすがしい物語とはある意味相反する、書き手の書くことに対する想い、勢いのような熱情が伝わってきました.
どの分野でもつくり手の気持ちは成果物に宿るんだなぁ、感じました.
読み終わったこの本は、ちょうど6年生の我が家の長男にプレゼントしました.
僕自身も少年の頃と、今は亡き自分の祖父を思い出し、懐かしく、すこし酸っぱい気持ちになりました.
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米田雅樹 三重県 建築設計事務所