2016.2.11

左官回話

左官回話 ”11人の職人と美術家の対話”  木村謙一 著
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昨年、西川さんと萩原さんにお誘いいただいて新潟に旅をした際に、泊めていただいた木村謙一さん著の本.
全国の左官職人さんの仕事と哲学が木村さんとの一対一の対話形式で収録されています.
いつもお世話になっている西川さんも伊勢神宮や赤福の竈、伊勢磨きなど、数々の仕事とともにご紹介されています.
神話の中に『人も土から創られた』、という伝えあるところや、
『土には果てのない星屑のような反復を経て、数えきれないほどの無数の死が堆積している.塵のごとくの生の瓦礫が、渦を巻く星座の求心部に積もり集うような、何か別のものの生が働く磁場にも見える.そういうふうに思うと、実は土は生きているのだと感じたりする.その目に見えづらいが・・・.』
という木村さんの論述、それぞれの職人さんのお話しなどを読み進めていくと、
本当に土は生きている、そして左官職人さんはそれと寄り添い、土の命を活かし、新たな時間の中に土を生かす仕事をされている、と感じました.
この考えはアニミズム(モノにも生命が宿っているという考え)、日本の神道の根源的な考え方と直結しています.
僕も常々、建築とアニミズム、そして人の祈りを建築に融和させること を理想、目標にして建築をつくっています.
とても勉強になった一冊でした.
面識もないのに不躾にも突然電話で仕事を依頼、お願いし、相談に乗っていただいたことが僕と西川さんとの出会いでした.
快く引き受けてくださり、
素晴らしい仕上りに、感動しました.
U-HOUSEの立体三和土、塗壁です.
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この上に内田鋼一氏の壺が来る日が楽しみでなりません.
去年の春にお引渡ししたプロジェクトですが、全てが整ったら発表させていただきます.
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ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所