旅日記4日目

2023.4.19

帰ってきてから早くも1カ月以上経ってしまいましたが、旅日記の続きを綴ります．

ヴァイル・アム・ライン

この日の目的地まで、宿から歩くこと数キロ．

山の景色が落ち着く．

我が国のように無神経にここに太陽光発電パネルが並んでいたらどうだろうか、と考えざるを得ない．

景観はみんなの財産であり（資本主義の貨幣価値だけが価値ではないはず）そこに暮らすひとびとの幸福につながっている．

目的地が見えてくる．

ヴィトラミュージアム．

ヘルツオーク＆ド・ムｰロン　設計．

約15年くらい前に初めて購入したa+uの表紙になっていた建築．

同敷地内に建つゲーリーのミュージアムをひとまず通り過ぎ、、、

スーパーマーケットに．

ヨーグルトだけでスゴイ品揃え．
乳製品、ヨーグルト好きの自分にはたまらないコーナー．

スーパーの一角で朝食を摂ったあと、再びヴィトラへ．

この建物の内部はヴィトラがつくっている家具などの展示棟になっていて、入場料は無料．

複雑な構成ながら、重なる家形のボリュームが絶妙な居場所とシークエンスをつくっていました．

場内にはアルヴァロ・シザ、安藤忠雄さん、SANAA、プルーヴェなどの建物が建ち並んでいて、目移りします．
その中のひとつ．家具展示棟．

歴代の家具・プロダクトが並んでいて（全部ネットで購入可能）この場所に磔（ハリツケ）になってしまいました．

家具棟の地下にも、たくさんのプロダクトのストック、ビンテージ品が並んでいて、圧巻．
この国のひとたちの家具に対するこだわり、暮らしをつくる環境をいかに大切にしているかといったことを感じました．

スゴイ量だなぁ、、、なんて考えて眺めていたら、ふとすごいトリハダ．（数年に一度レベルのトリハダでした．）

これだけの数の（果てはもっと）人々の暮らしがあり、営みがある．

それぞれのライフスタイル、人生がある、なんて半ばあたりまえかもしれないことがアタマと身体に降りてきた．

あたりまえかもしれないけど、しかしこれはとても大切なことに気付いた、と思う．

それぞれのひとが自分のLIFEを大切にすること．

それぞれにとって日々の暮らしを大切にすること．
自分でLIFEを整えること．

貧富ではなく、その日々と営み、心の在り方が豊かさの源泉である．

そんなことを感得させてもらった時間でした．

（プルーヴェのブランコ）

家具コーナーに長いこと居すぎてすっかり夕方、、、昨年移築した篠原一男氏のから傘の家を見学したかったけれど、何やら一日2回しかないアーキテクチャーツアーに申し込まないといけない模様・・・．

（気付くのが遅かったです）

翌日は北上し、コルビュジエのヴァイセンホフの住宅に立ち寄って、ニュルンベルクにて開催される中里さんの展覧会会場に向かう予定でしたが、コルはあきらめて明日もここに来ようと決める．

バスに30分ほど揺られ、スイスへ．

バスがGoogle先生の指示したところまで行かずに終点．　また歩く．

国境のライン川を越えて、

ヴァーゼルへ．

ヤングユースホテルに泊まったら、カッコイイリノベーションを施してありました．

（Buchner Brundler設計でした）

夜、町を徘徊．ヘルツオークのシグナルタワーカッコ良し．

歩いていると現地の設計事務所がポツポツと．

この旅で食事らしい食事をしていなかったので、この日はフランを使っていいもの食べよう、と思ってレストランに．

僕は肉が食べたかったけど、言語能力の粗末さが露呈してしまい、チキンが出てきてしまいました・・・．

おなかいっぱい．ほろ酔いで宿に帰る．

電話ボックス？を改修したまちの本棚？　いいなぁ・・・．

宿に帰る．

こちらの地域は石の文化．目地の取り方、積み方、やっぱり卓越しているなぁ、と町のいたるところで感じる．宿の部屋に入るこのﾄﾞｱもそう．

リノベーションの手法も、基本的に石（個体）に対してどう足していくか、でデザインされている．
（我々が木造建築をリノベーションする際は切ったり引いたり、継いだり、だけど、こちらでは要素を積み上げたり、足して（凹凸をつけて陰影を孕ませ）改変・デザインしていく手法が多い．）

そんなことを感じながら就寝．

つづきます．

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