2016.4.29

20160428

20160428
いつも交流させていただいている建築家、
アンプ建築設計事務所 森下陽さんの住宅、山田誠一建築設計事務所の山田さんの毘沙門堂を見学させていただきにひとり静岡まで.
静岡といえば登呂遺跡、と三重を早朝に出発して見学に.
弥生時代の人の生活.
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この時代の住居は、衣服の一層外にある自然から身を守るための衣、といった感覚を受ける.
完全に外をシャットアウトするのではなく、住居を衣服の延長としてまとうようなスケール.
それゆえに外部環境、ひいては自然とヒトとの無理のない応答、共存の関係性を感じる.
近頃の僕は、建築やモノが持つ生命力というモノに大変興味があります.
そして、竪穴式住居(最近の学問ではタテアナジュウキョというらしいです)にはものすごくその生命力を感じています.
良いと思う空間、対象に出会った時、なぜそれが良いと思うのか、要素を咀嚼、分析すること.
単なる形態模写にならないように.
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ネズミ返しのついた高床式倉庫とボランティアスタッフのおじさんの後姿.
登呂遺跡から30分.山田さんの毘沙門堂に.
お寺の境内にある建物.
お通夜のとき、故人をご家族が囲み、祈りを捧げる八角形の小さなたてもの.
幾層もの建築のフィルターを透いた光を空間ににじませる祈りの空間.
僕がお伺いしたとき、中心に向かって円状に配置された椅子に何人もの人が座り、語らっている状況で、その求心性と闇だまりのあるしっとりとした磁場のような空気感に
山田さんの、
『建築の存在する意思が、まるで仏様の顕れそのものだと感じられるような、共通感覚とも呼べる霊性を、人の祈りとともに建築がゆっくりと纏っていくことを願っています.』
の言葉の体感を、空間に入った瞬間に感じました.
そして、空間の8つの角から中心に向かい放射状にはしる、砂漆喰で塗りこめられたそれぞれの梁の下面に光がつたい、中心の結束点で光の集いが現象している様が、とても美しかったです.
30代半ば過ぎでこのような空間をつくられる山田さん自体が祈りの人に見えました・・・.
その後、現地で合流したみなさんで、内藤廣さんが設計された草薙体育館に.
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ヨーグルトのフタをいじっていてそれが造形の元となった外観もさることながから、スゴイとしか言いようがない建築空間・・・.
これだけの大きな建築なのに、メリハリの効いた寸法体系で、人が受ける体感がものすごく気持ちよく.
・・・。
その後小川さんと二人でルーシーリー展、→浜松に戻り森下さんのハツオイノヒラヤを拝見させていただく.
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天井高さを低くおさえた中庭を囲う諸室と、家族が集う大きな気積の室のメリハリの効いた空間構成の住居.
ご家族、三人の姉妹さんが集う、この家の象徴ともいえる室にすっと天井まで伸びる柱の在り様、陰翳が美しく.
もともとあったお庭を残し、新しい生活の中でも樹木を愛でることができるコートハウス形式.
この住居の計画として住居内でバーベキューという大きなご要望があったことから、家族室の天井を高くして、黒く塗り、高排出性能の換気扇をつけているそうです.
ほんとに住宅は、住まわれるご家族の数だけ、色んなご要望があって面白いですね。。。
外から見ると、背の高い家族室棟がニョキッと頭をだして、古民家の家屋と蔵の関係のようでした.
帰り道.いつもながら湾岸道名港のこの景色、堪能します.(ピンボケですが)
イメージ 4ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所