2020.9.3
Holz Bau
福島加津也+富永祥子さんの設計事務所が自費出版でだされた本
Holz Bauを読んだ.
スゴイ本.
1910-の名もなき初期ドイツ木造建築を巡礼した記録.
工業化とデザインがドライブしたこの時代のドイツ木造.
今も住民たちに深く愛されている建築たち.
”同じ仕組みを反復すると、小さなものから大きなものをつくることができる”
”同じ仕組みの反復が無限に思えるとき、部分の総和を超えて、機能や合理では説明できない何かを獲得するときがある.
それは祈りのようなものになる.”
”多くの人は日本の伝統構造を純粋で構造がそのまま現れていると考えています.しかし和様は構造的合理性と視覚的合理性を調和するような構造様式です.つまり、合理的であることと合理的に見えることの間にはずれがあるということです.
和様は構造とデザインの折衷であるため、中途半端だと感じられているようです.しかし私たちは建築のデザインにおいてこの考え方がとても重要だと思っている.”
”私は合理や伝統を拠り所としながら、その先へ進もうとする建築が好きだ”
合理や慣習、ノスタルジックにとどまらない歴史の紐解きと設計への展開.
福島さんの建築の射程.
痺れる.
示唆に富む名著です.
この本を読んで、
軸を組んで仕上げを張るだけではもう限界を感じていた昨今、
(検討の結果それがベストの解になることもあり得るとしたうえで)
軸、空間、与条件、機能、PLAN、人間の想い、時間、それらの統合の先に”人間が何を感じるか、どう感じるか”をつくるか
求めること、目指すこと 射程への視座を見た.
小屋が機能に従い、柔軟に形態を変異させていくように、状況に対して態がかわっていくこと、かえていくこと、
それも魅力になるように.ある種 植物のように.
建築を考えていきたい.
歩みとともに自身が持つ建築観も少しずつ様相を変えていくかもしれない.
せめて、というかだからこそ その時々で、自分にとってこれだと思うものを残し続けていけるか.
省みながら襟を正していきたい.
ヨネダ設計舎ホームページURL
Facebookhttps://www.facebook.com/yonedasekkeisha/?ref=aymt_homepage_panel
instagram https://www.instagram.com/yoneda_masaki/