猿田彦珈琲

用途:カフェ
構造:木造
竣工:2021

三重県多気郡多気町に計画された地域創生開発プロジェクトVISON内に建つ。
VISONは54ヘクタール(東京ドーム24個分)の面積を持つ大規模開発であった。

広大な敷地の中において、計画店舗のコンテクストを辿った。
猿田彦神の名を持つ店舗であることから、バスターミナルがある店内入口とVISONへと繋がる南テラス出入り口とを結ぶ軸線の先が、猿田彦神社・伊勢神宮内宮へとつながる建物配置とした。

本建築物の計画地は斜面地であり、バスターミナルと吊り橋に隣接する。他施設が並ぶ南側には施設全体と背後の山々が見晴らせる立地である。バスターミナル側は茶屋のような軒下体感で人々を迎え、南の席へ歩を進めるにつれて天井高が上がっていき、南の施設や山々、隣接する橋を見晴らすことができる構成とした。

一辺の高基礎が地面の斜面を吸収する断面計画により、屋内客席と屋外席の視線の交錯をコントロールする。
余白となっているランドスケープ利用のきっかけとなるよう、列柱柱脚部は芝生広場から直接腰掛けることができる基礎底盤高さに設定し、建築と広場をつなげた。

敷地を読み解きながら、店内・店外の断面設計を行うことで、茶屋の持つヒューマンスケール性と、神社の持つ神殿性とを併せ持つ建築を目指した。VISON内施設全体のデザインコードとして、建物の木質化を目指すことが求められたが、我々は建築の木質化はもちろんのこと、木のくに三重にふさわしい建物であるよう、あくまでも構造の木造化にこだわった。

斜面を素直に活かすことで、地形と建築の各部が応答する。
景観とアクティビティに自然なつながりが生まれる。

また、地形に倣った基礎にシンプルな木軸を載せる構成が、造成・基礎工事の負荷を小さくし、建築全体コストの低減に寄与した計画となった。

photo masashi asada

第1回 みえの木建築コンクール 非住宅部門優秀賞

商店建築 2021年10月号
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