土壁と路地の家

用途:住居・リノベーション
構造:木造
竣工:2022

志摩市に建つ築50年木造平屋建て住居の改修.
これまでの住まいの面影をのこすこと、料理好きな家族みんなが個々の時間を共有しながらつながりをもてること、がリノベーション計画のご要望であった.
住居全体がひとつの大きな部屋となるよう解体をし、耐震補強を施しながら一枚の床の上に土の小部屋を挿入していった.
小部屋の中は個人の小さな寝室であり、部屋の外側は反転してそれぞれの居場所となる.
各住人の小部屋の近くはお姉さんのワークスペースであったり、退職されたお父さんの思い出の写真コーナーだったり、お母さんのお琴のコーナーになっている.
通りに花や盆栽、自転車や遊具などがはみだし、個々の所有を越えて共有世界を醸成する下町の路地裏のような雰囲気となることを目論んだ.
各居場所がなんとなく個人のテリトリー感をもちつつも、途切れ目がなく、家族みんなの空気感、思い出をグラデーショナルに感じ合える住まいとなった.

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