2023.1.25
せせらぎに魅了されて
入社して2か月後のこと。
日帰り社員旅行で御嶽山の麓まで行ったけど、その日は結局、山開き前で入山できずに帰ってきた。
それから数か月後、せっかく購入した登山靴を履きたい!と思い立ち、赤目四十八滝へ行ってみる。
気付いたのは、「音」だった。
水が溜まるところは、ゆらゆらと流れているから静かだけど、
川に少し段差があるだけで、サーッと音が鳴る。
滝のところは、ゴーッという音と水しぶき。
川幅によっても違う。
広いところは、サラサラという音だし、
狭いところは、ザーッという表現が近い。
遊歩道も、太かったり、人が交互にすれ違えるぐらいの細さだったり。
奥へずんずんと進んでゆけば、次から次へと場面の展開を演出してくれる、そういう空間なのだと勝手ながら解釈した。
今年のお正月、岡山後楽園へ再訪。
目的は流店。
簡素な佇まいながら、建物内部に小川が引いてある、庭園内の休憩所だ。
ここも音の建築。
庭園内に大きな池が3つ。
そのうちの2つを結ぶ小川の中央部に流店は建つ。
建物周りの小川は、くねくねとカーブしている。
川幅を敢えて狭め、カーブを多く設けることで、
緩やかな流れでも、土留めの石と水とのぶつかる「音」を作り出している。
この心地よい「せせらぎ」が休憩にはもってこいだ。
考えてみると、私自身、今まで建築の音の部分を疎かにしてしまっていたようにも思う。
私たちが描く「図面」にも音を想像すべきだと気づかされる。
びゅーびゅー、びゅーびゅー、風のうなり声。
ぽたぽた、ぽたぽた、雨の音。
トントン、トントン、美味しい料理。
ワイワイ、ワイワイ、一家団欒。
シャカシャカ、シャカシャカ、歯磨きをして。
ぐうぐう、ぐうぐう、豪快ないびき。
チュンチュン、チュンチュン、こうしてまた朝が来る。
スタッフ 阿部