2023.6.20
夜の散歩
ときどき、夕暮れ時から夜の時間帯に散歩をしてみる。
光りによる視界の情報が限りなく少ないから、音、風、匂いなど、日中では気付きにくいことを「とらえる」いいチャンスだと思っている。
夜に身を置いてみると、当たり前だけど、自分の知っている、日中のその場所とは全然違って見える。
例えば、毎日通勤する道を考えてみよう。
朝は、車がびゅんびゅん往来し、ビジネスマンや学生さんが行きかう。
お昼ごろになってくれば、主婦が買い出しへ行き、ついでに井戸端会議なんかも。
夕方には小・中学生が楽しそうに下校する声。
日暮れは、凛々しさと疲れが入り混じった、サラリーマンが。
深夜は酔っ払いの若者がちょっと騒いでいたり…、静寂な中にタクシーの走行音が聞こえてきたり。
人は何かを体験する時間、季節、天候、あるいは自身の立場や気分によっても、感じ方、読み取り方が違う。
あるいは通勤道路とは一本違うというだけで、自分の全く知らない世界が繰り返されているかもしれない。
建築を見に行くときも同じように考える。
天候によって、美しい光に導かれたり、あるいは、風雨によって狂暴化したり。
ご近所のおばちゃんたちが施設を使い倒している、そんな風景もうらやましい。
だから、そのタイミング、一瞬一瞬の出来事を逃さないように心がける。
何回も足を運ぶということも大事なのかも。
この前、ずいぶんと久しぶりに入江泰吉記念奈良市写真美術館に行ってみた。
入江さんの作品は日本人の心の原風景を映し出してくれていて、いつも感激する。
(ポストカードも買ってしまいました…)
こういう一瞬をとらえるということも磨いていきたい。
週末には丸山千枚田に行ってみた。
田植えをしてから少々時間が経ってしまったから、イネが伸びすぎ?少し遅かったかな?
「とらえる」練習は一生続くのかも…
スタッフ 阿部