2026.5.21
午睡図

2月のある日。
ずっとあいたかった絵に会いに。
松阪市松浦武四郎記念館が有する松浦武四郎涅槃図。
この日はちょうど年に一度の武四郎祭りの日でした。
2024年に東京の静嘉堂文庫美術館100周年記念展で、武四郎が大切にしていたアイヌの方に贈ってもらった大首飾りとともに展示されていた絵。
そんな展覧会があるのを知ったのが、閉幕の前日。見に行きたいなぁ、とおもいつつも叶わなかったのでした。
僕は武四郎さんのファンで、武四郎記念館には年に数回訪れます。
お伺いした際、山本命館長に、 次はいつ展示されますか?とお聞きすると、
『重要文化財なので、一年のうち、展示できる月数が決まっていて、今年は東京に貸し出してもう展示できないので、次は2026年の武四郎の命日ですかね・・・。』
と教えていただいたのでした。
あと2年くらい・・・ゆびおりゆびおり、とうとうその日に・・・!



待つこと2年。
とうとう出会えた 松浦武四郎涅槃図
(午睡図とも)
武四郎が生前、明治当代一と呼ばれた 河鍋暁斎に依頼した自身の涅槃図。仏教画の釈迦涅槃図のパロディ。周囲には武四郎が集めた古物・骨董やすすりなく奥さま、美女に神仏、のちに神格化されたような歴史上の偉人たちに囲まれる。
技術 ユーモア 美術 それらを統合・・・どころか凌駕する宇宙でした。
ガイドのおじさん曰く、これは、武四郎のコレクションの美術館の役割もあったのでは、とのこと。
武四郎さんは北海道の名付け親として有名。ヒューマニストで、アイヌの方と信頼関係を築き、思うところあって、幕府や明治政府からはなれてからも、自分の足で蝦夷、日本を旅した冒険家でした。自身の好奇心と、人々に土地をひらくため、歩き続けてきた偉人。
武四郎が晩年につくったおおきさ一畳の書斎、一畳敷。
一畳敷は89の部材のうち83点が古材で、なんと、伊勢神宮、出雲大社、熊野本宮大社、春日大社、太宰府天満宮、法隆寺、四天王寺、興福寺、延暦寺、石山寺、平等院、大徳寺・・・などの古材からつくられています。
以前、学芸員の方に、どうしてこんなものを集めることができたのですか!?とたずねると、
『武四郎はほしいと思ったらもらえるまで頼み込んだり、手紙を書きつづけたり、座り込んだり、とにかくしつこかったらしいです (笑)』とのこと。
とにかくエネルギーがスゴイ方なんだな。武四郎記念館ではこの一畳敷きの原寸模型も展示されています。(ホンモノは日本基督大学構内に現存・武四郎は自分が死んだら燃やしてほしいと伝えていたそうだが)

↑一畳敷 レプリカ。 入れる。

↑天井は熊野本宮大社から譲り受けた龍が描かれた扉。

身長148㎝の巨人。晩年、一日で富士山をのぼり、山の向こう側の関所でどこから来た?と役人に尋ねられ、70歳を越えた高齢者が今日あっち側から来れるわけないだろ、と取り調べでつめられたという伝説もあるそう。
収集した古物は土器から仏像、ローマ青銅鏡、国内国外の数々からなり、それを自身で記録する画力もあり、なんでもできる超人そのもの。
この人をこえるアーティストはいないのではないか。
(比べるものではないけど)
この人そのもの、この人の生きた人生自体が強烈なアーティストだ。
近々、折を見て大台ヶ原にある武四郎さんの分骨碑(骨はなく、歯が納められている)にお参りに行きたい。
ソウイウモノニ ワタシモ ナリタイ
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